- アーティスト: Oper Graz,Evans
- 出版社/メーカー: Arthaus
- 発売日: 2011/11/21
- メディア: DVD
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グラーツのカーテンコールはどうだったんだろう、とマニアックなことを確認しようとDVDを再生していたら、収録日は 11th March 2011 だったようですね。Fukushima の情報が世界を駆け巡って、大植英次があっという間にドイツでチャリティコンサートの話をまとめて、そのあと日本へ戻って来ようかという直前の舞台。やっぱり、これは一度日本でやっておく意味があったかもしらん。
びわ湖でやったときはヴィオレッタが引っ込んで衣装が替わるところで入れ替わって3人が分担したけれど、舞台上演では当然ひとりの歌手が通して演じるので、間に休憩が入らない100分ノン・ストップは、ハードだと思う。2幕の最初のアルフレードのアリアのところと、ジェルモンが「プロヴァンスの海と陸」でアルフレードに言い聞かせるところ以外、ずっと舞台にでずっぱりになりますからね。(2幕のバレエや3幕のカーニヴァルはカットされているので、さらに、休みは少なくなる。)歌手がリアルに疲れていくのと、ヴィオレッタが衰弱していくのが重なることになる。
ま、舞台というのは、上手くいったケースをあとで振り返ると、どこまでが狙いで、どこからが偶然の結果オーライなのか、誰にもわからないので、スポーツの「名勝負」をあとで何度も反芻するのと同じことになってしまいますが。
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そういえば、現代音楽と舞踊。どこで誰が何と何を組み合わせたか、調べようとすると無尽蔵にありそうな一大領域ですね。
関西歌劇団で騒ぎを起こした武智鉄二が観世寿夫と野村万作で「月に憑かれたピエロ」をやった話は実験工房の本に詳しく紹介されていますが(http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20110122/p1)、そのあと、シュトックハウゼン「少年の歌」(どうやら黛敏郎が音源を持っていたらしい)で舞踊とも演劇ともつかないパフォーマンスをやったときには、福田恆存と論争になった。大阪では、ケージのアモレスやストラヴィンスキーの狐で前衛日本舞踊をやってます。
日本でモダンダンスは戦前からあるようで、ひょっとするとクラシックバレエが本格的に入るより先にモダンダンスが広まってるんじゃないかと思うのですが、この話も、どこをどう調べたらいいのか、よくわからない。
舞台で実際に人がどう動いて、何をやったか、こればっかりは、実際にやった人と観た人が何かを残してくれないとどうにもならないから、現場重要ですよね。台本と楽譜と刷り物は結構残るけど。