自作自演

かつて匿名掲示板では、自分の書き込みに自分でレスする哀しくも寂しい行為がこう呼ばれていた。東条さんが「地方」へ営業かけて原稿依頼を取り付けて、そのコンサートを「中央」のメディアで自分で批評したり、自分のブログで感想書くのは、まさにこれだよ。

もし作曲家が自作発表会の解説書いて、自分で演奏して、終わったら客席に移動して拍手して、さらに音楽雑誌に批評書いたら、ホントの自作自演だが、これ、あからさまに無意味でしょ。

マスメディアのマッチポンプな自画自賛イベントはこれに近いところがあるし、広告屋がこの手法で「地方」を食い物にしてるのは、よく知られるようになった。(ちなみに東条さんはもともと放送業界にいた人だ。)

で、ワーグナーが「誇大広告」の人だと言われるのも同じ文脈だし、たしかにワーグナーはプロパガンダの先駆者でもある。(たぶん東条さんのワーグナー好きも、このあたりと無縁ではなかろう。)

こういうのは、たいてい当事者に悪気がないから余計にたちが悪い。でも常態化したら、「中央」に名を売りたい人をワナに嵌めてるのと同じことだからね。

弱味につけこむ感じが嫌。(自分も弱いから同類仲間、ともに堕ちよう、と誘ってるわけですよ。)