「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」というチャーチルの言葉の「民主主義」の項に「軍隊」を、「政治体制」の項に「暴力」を代入すると、それらしい文を作ることができてしまうかもしれない。
ウェルメイドな喜劇作家の三谷幸喜が10年前に新撰組(幕末のテロ集団)を扱って、今は真田家の人々(戦国末期の信濃の山賊)を扱っているのは、このようなレトリックをアイロニーではなくユーモアとしてドラマ化する可能性を探っている、ということのような気がする。何か、そういう回路が要るのでしょう。