2015-03-03から1日間の記事一覧

補遺:疑似考古学の「通奏低音」

フーコーとかそのあたりが「知のアルケオロジー」を言い出したのは、 (a) 図書館に籠もる文献研究もまた行動である、それこそが人文学者の行動である というのと、 (b) 言葉(主として書き言葉=文字)は仮象ではなく物質である というのがある、という理解…

発掘なき考古学の怪

人文学者のみなさま!まさか、とは思いますが、自分が体験的に知らない時代の感覚・知覚を仮説的に再構成する作業は、すべて「アルケオロジー」と呼んで良い、などと思ったりしていないでしょうね。それはごく普通の歴史学(もしくは文学)ではないのか。少…

設備投資

日頃から細々した書類を整理しておいて、スケジュール管理とか確定申告とか、そういうのが火事場の大騒ぎにならないようにしておくのは、個人営業のリスク管理、ものを整理しやすいように片付けたり、場所を確保したりするのは設備投資というやつですな。利…

九州人

「九州の人間はみんなこげな話し方ばするとたい。おれらの言うこと、話半分で聞いてもらわな、いかん」三谷幸喜(←九州に親戚が多いと言っていたような気がする)のオリエント急行にこんな台詞があって、名探偵さんは、しどろもどろの証言を「普通はあんなも…

言葉の牢獄

(a) 言葉というものは、本質主義から遠く離れて、運用における働きを見なければならない。「作品」という言葉がアカデミックな美学理論とは異なる仕方で流通しているポピュラー音楽ジャーナリズムは、本質主義的な規範を参照しながら「誤用」と判定・批判さ…

ストコフスキーのシャコンヌ

ストコフスキーによるバッハのオーケストラ編曲というとトッカータとフーガが有名ですが、まとめて聞いて一番驚いたのはシャコンヌ。この指揮者がロシアのどういう音楽を引き継いだ人だったのか、ということが歌わせ方、弦楽合奏の鳴らし方でわかる、という…