2005-01-01から1年間の記事一覧
午後、京都コンサートホール。先月の定演に続いて佐藤俊太郎の指揮。京フィルとしてはとても充実した演奏だったことを認めた上で、シューベルト(「未完成」)やベートーヴェン(「運命」)のサウンド、特に弦のアンサンブルに、どんよりして整理され切って…
ザ・フェニックスホール。第1夜(10/26)をやり切ったあとで、正直、第2夜は、私には蛇足に思われました。高木さんの演奏は、「無邪気に歌うことだけはしない(できない)」という自意識のこわばりのようなところから出発していて、第1夜のパガニーニは、…
(mixiの日記の加筆・再録です。)岡田暁生「西洋音楽史 - 「クラシック」の黄昏」(中公新書) ISBN:4121018168今の感覚で書かれた、日本語の適当な音楽通史がない、というのは、「音楽史」の授業をする時に長らく不便でたまらないことでしたので、出版を心…
ザ・フェニックスホール。前半のみ(バッハ=ブゾーニ「シャコンヌ」、リスト「ペトラルカのソネット第104番」、「ダンテを読んで」)。難しい曲が並ぶプログラムを慌てずさわがず、淡々と弾き通すことができたのは、本当にコツコツ地道に譜読みをされた成果…
ドーンセンターホール。会員の日頃の歌の研鑽の成果を発表する場なのだと思いますが(出演者10名)、総花的な発表会ではなく、テーマを設定して統一感をもたせる工夫が長続きの秘訣なのかな、と思いました。
ザ・フェニックスホール。「マツケン・サンバの生みの親(作曲者)」の宮川彬良が、選曲・トーク・演奏の魔法のような手練手管を駆使して、「平原綾香の父親」、ベテラン・スタジオ・ミュージシャン平原まことの鍛え上げられたサックス(ソプラノ・サックス…
ザ・フェニックスホール。曲の構造を隅々まで調べて、きっちり把握していることは伝わってきたのですが、奏法が我流で感覚的な喜びに乏しく、乾いた分析報告のようになってしまっていたのが本当に残念でした。ベートーヴェン「テンペスト・ソナタ」、ブラー…
ザ・フェニックスホール。パガニーニ「24の奇想曲」全曲演奏。客席が四方からステージを囲む配置で、向きを変えながら弾くというステージング。どこで動くかということまで、細かく計画を立てているようでした。演奏も、全24曲をトータルにとらえて、どこで…
京都府立府民ホール・アルティ。今回は、若手がソロやリーダーとして活躍するヴィヴァルディの協奏曲(「チェロ協奏曲」ニ短調=独奏:マルクス・ベリ、ヴァイオリン様相曲イ短調op.3-6=独奏谷本華子)とグリーグ「ホルベアの時代」(コンサートマスター=…
午後、いずみホール。ヴィエルヌ「オルガン交響曲第1番」でもホール全体が共振するような迫力に頼ることがなく、また、特殊なストップを駆使したせいか、音の取りこぼしが何度かあったので、一般受けしにくい演奏だったとは思いますが、バッハのコラール「…
京都コンサートホール小ホール。数人から数十人のグループが、大企業を出し抜くというのは、IT業界のごく普通の光景ですが、音楽でも、小編成の合奏は、「小さな(色々なものが足りない)管弦楽」ではなく、組織や合意形成のありかた(アンサンブル)から根…
いずみホール。前半のみ(シューマン/「ミルテの花」抜粋、團伊玖麿「抒情歌」、オペラ「夕鶴」より)。高音が響かず、ピッチや音色が安定しないなど、発声にやや無理があるのかな、という印象を受けました。ピアノ、川中恵子。
京都コンサートホール。ピリオド奏法を逆手に取ったシンセサイザー合成のような音響(バッハ「ブランデンブルク協奏曲」第6番)、弦楽器の生理と呼吸(チャイコフスキー「弦楽セレナード」)、渋くくすんだ音色(モーツァルト「協奏交響曲」変ホ長調)。世…
ワッハホール。タップとアイリッシュ・ダンスで耳になじみのある曲を踊っていくステージ。テクニックを磨いて、様々な見せ方ができるようになれば、面白くなりそうです。
ザ・フェニックスホール。全体に小さくまとまりがちではありましたが、無茶をしない良心的な演奏ではあったと思います。ドニゼッティ「ソナタ」、ムチンスキー「ソナタ」、ドップラー「ハンガリー田園幻想曲」、尹伊桑「歌楽」、シューベルト「しぼめる花に…
イシハラホール。荒削りとも思える弾き方ではありますが、バルトークが掬い上げようとした凶暴さ、敏捷な身体感覚、色彩感を捉えることに成功していたように思います。「アレグロ・バルバロ」、「左手の練習曲」、「2つのルーマニア舞曲」、「舞踏組曲」、…
ザ・フェニックスホール。柔軟で良識的な山本英二と、楽器をコントロールしきれずに、つい強めに叩いてしまう楠本隆一。お二人のスタイルが相当に違っていて、やや落ち着きの悪い演奏でした。モーツァルト「ソナタ」K.448、ラフマニノフ「組曲第2番」、ドビ…
ザ・フェニックスホール。指が先に動いてしまうというタイプの演奏。ブラームス「パガニーニ変奏曲」を快速に弾き切ったのは大変なことだと思います。他にベートーヴェン(「月光ソナタ」)とショパン(「舟歌」、「マズルカ」嬰ハ短調op.50-3、「英雄ポロネ…
午後、アルカイックホール。春の関西二期会ソウル公演などとともに「日韓友情年2005」の企画のひとつ。歌手の水準は高く、パンソリの歌唱法とオペラの管弦楽効果を組み合わせた作曲は、手堅い仕事と思いました。張允聖、指揮、ザ・カレッジオペラハウス管弦…
午後、ザ・カレッジ・オペラハウス。ドイツの二重合唱を集めたプログラム(シュッツ、メンデルスゾーン、ラインベルガー、ブラームスなど)。パート数が多い分、個々人の負担がやや大きかったのかもしれません。透明な発声、スムーズな流れを重視した軽いア…
京都コンサートホール。ブラームス「交響曲第1番」では、決め打ち的に弾こうとする京響と、音にたわみ、ふくらみをもたせようとする指揮者、大山平一郎がかみ合っていない印象。ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番」の独奏、長岡純子さんは、芯のある音、…
イシハラホール。モーツァルトの作品集。ニ短調とハ短調の幻想曲で、重い音を打ち込む気合い、ソナタK.330、K.331のややくすんだ感じの柔らかさは、晩年のバックハウスなど一昔前の演奏を思い起こさせるものでした。
いずみホール。ヘンデル、スカルラッティからドニゼッティ、ヴェルディ、チマーラまでのイタリア・アリア集ですが、声に伸びがなく不安定で、いまひとつ楽しむことが出来ませんでした。ピアノ、藤江圭子。
いずみホール。背景を限界まで希薄に抑えて、メロディを浮かび上がらせるドビュッシー(「夢」、「ロマンティックなワルツ」、「スティリー風タランテラ」)はユニークで意欲的な演奏でした。他に、ショパン「マズルカ」op.33-4、op.33-2、フランク「前奏曲…
午後、京都府立府民ホール・アルティ。楽器間の音量のバランスは前回よりもかなり改善されていましたが、ピアノ(河野美砂子)に、ヴァイオリン(四方恭子)、チェロ(河野文昭)を生かし、立てるだけの余裕がない状態だったのは残念に思いました。曲目は「…
ザ・フェニックスホール。「ドン・キホーテ」とセルバンテスの時代の音楽というテーマで16、17世紀スペインの歌と舞曲。ステージも客席も、普段のクラシック・コンサートとは違うオシャレでくつろいだ雰囲気でした。ヴィオラ・ダ・ガンバのサヴァールがリー…
いずみホール。前半がシューマン(「ミニヨン」)、リスト(「ペトラルカのソネット」)、三善晃(「抒情小曲集」、詩:萩原朔太郎)、後半が雨にまつわる日本とドイツの歌曲という、この人らしい多彩で興味深い選曲。歌はやや生真面目で、リストなどおとなし…
ザ・シンフォニーホール。大植英次指揮によるマーラー「交響曲第3番」(メゾソプラノ:坂本 朱、合唱:大阪フィルハーモニー女声合唱団、大阪すみよし少年少女合唱団)。この作品には、独唱・合唱が加わるというだけでなく、独白調の語り(第1楽章のトロン…
午後、京都コンサートホール。前半、渡邊玲奈の独奏による2つのフルート協奏曲(ジョリヴェとモーツァルト第2番)がお目当て。技術的には安心して聞くことができましたが、もっと思い切った表現で仕掛けないと、オーケストラに埋もれてしまう。そこが協奏…
京都府立文化芸術会館。ブラームス「ソナタ第3番」、シマノフスキ「神話」、ドビュッシー「ソナタ」、プロコフィエフ「ソナタ第1番」という大きな作品ぞろいのプログラムで、パスカル・ロジェの明晰で立体的なピアノが揺るぎない柱のように演奏を支えてい…