【お知らせ】新春クラシックスペシャル2011大植英次 夢は世界をつなぐ(1月3日早朝、テレビ朝日系列全国ネット)

新年早々ですが、放送が1/3の早朝4:25-5:50という時間帯なので、録画などお忘れなく。全国ネットです。

http://asahi.co.jp/sp/nclassic/index.html

大阪フィルの定期演奏会、大植さんが指揮する回は、昨年のマーラーの5番以来、実際に聴くまでどんな演奏になるのか予測がつかず、良い意味でスリリングな状態が続いています。

ひとまずR. シュトラウスの2曲を取り上げた演奏会の放映です。演奏会とは曲順が逆で「ツァラトゥストラ」が先になって、こちらは途中カットあり。堤剛さんが出演した「ドン・キホーテ」は全曲ノーカット。しかも、知る人ぞ知る石田健一郎さんの演出です。

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放送前にいろいろ書くのはよくないかもしれませんが、演出のお一人、石田健一郎さんは、朝日放送の前身OTVからのテレビマンで、クラシック中継の映像を本気で「演出」する人。

クラシックの映像にこだわった人といえばカラヤンが有名で、最近の映像パッケージでは演出術が詳しく解説されたりもしていますが、石田さんは、そのカラヤンの来日公演をいくつか担当してこられましたし、朝比奈隆の映像が残る最後の演奏になったブルックナーの9番も石田さんのチームが担当でした。

音楽の演奏をどう見せるか、というのは難問で、極力なにもしない(何もしていないかのような演出に徹する)という考え方もあると思います。でも、音楽が主役とはいえ絵を出さないわけにはいかないし、逃げてばかりはいられない。音楽に寄り添ったり、音楽に触発されてカメラが動く演出というのも、あり得るかもしれないじゃないですか。

敢えてリスクのある道を選んで仕事をしていらっしゃるところが、私は、かっこいいなあ、と思ってしまうのです。

石田さんや、弟子筋の菊池正和さんのこだわりの絵は、NHKの見馴れた手法とは発想が違いますが、渾身の「ドン・キホーテ」、せっかくの全国ネットですし、いろいろな方に観ていただくきっかけになればと思いましたので、敢えて書きました。早朝ですが、お見逃しなく。

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カラヤン側の完全な管理下で闘った演出ではありますが。
シンフォニーの世界II ブルックナー交響曲第9番ニ短調 [DVD]

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最後の朝比奈、観るのが辛くなってしまいますが。

(今回、「ツァラトゥストラ」のほうの字幕作りで、ちょっとだけお手伝いさせていただきました。これこそ、わざわざ書かなくていい、蛇足情報……。)