なぜ、この人はこういう言葉を平気で発することができてしまうのか、かなり時間をかけて、かなり誠実に考えてきたつもりだが、おねしょが直らない人、みたいな感じで、意識的な制御の働かない心的作用によって不穏な言葉を垂れ流す生き物なのだろうと思うことにする。
「思っても言わない」ということですらなく、私は、そもそも、そういう価値基準で物事を裁断しないし、白石家は、親の代から甥っ子の代まで、三代にわたって、誰一人、おねしょする人間がいないからなあ……。理解を超えている。
心にオムツを付けて生きてくれ。
（辛うじて、社会に流通する話題へすくい上げるとしたら、「反復が嫌いな人」、もしくは、「反復とはすなわち退屈である」という風に知覚が自動化している人、というのは、いるかもしれないとは思う。数える行為にも反復が含まれるわけで、そういう人は、かなり根本の入り口に近いところで、数字が苦手である可能性が高いかもしれない。なるほどそれは、生きるのが辛かろう。）
