その先に見える希望の光

自分でそうすると決めたこととはいえ、1週間に3回も「死の都」を見るのは気が重い。

が、試練を乗り越えた先には「ちゃんちき」(15日、西宮)と「赤い陣羽織」(30日、伊丹)が待っている。心の支えとしたい(笑)。戦後の日本が、「オペラは死んだ」などとませくりかえってうそぶくような時代でなかったことに感謝せねばならぬ。(栗山せんせは、嫌われようが憎まれようが、あの時代の精神を次代へ伝えねばならぬ、とただひたすらそう思ってらっしゃるわけですよね。)

昭和の子供だ君たちも

昭和の子供だ君たちも

坪内祐三は全共闘・団塊世代と新人類世代が嫌いで、真綿で首を絞めるように様々な世代の事実を掘り起こしていくわけですが、たとえば、プロ野球界には団塊世代が異常なほどにひしめいていて、その後の世代交代を難しくしたのではないかと示唆されている。江川や原の頃、「上」がいっぱい詰まっていた、と。

スポーツは20〜30代が現役最盛期なので、そんな閉塞は過去の話ですが、音楽などの芸事の世界は、60歳、70歳でようやく一人前みたいなところがありますから、同じことがまさにこれから起きるのだったりして……。

プロ野球が「J」の出現でその後凋落したようなことが、これから文化・芸能・芸術の世界で、団塊さんが重鎮さんになるとともに、起きるのかしら?

「死の都」を愛する人が多いのは、なにやら不吉だ。