だから文系/理系という疑似問題に落とし込むのは筋が悪いと何度言えば……

これを読んで、「理系の世界は文系とは違うなあと思いました」は、もし学生がそんな感想でレポートをまとめたら「可」と「不可」の境界線上だろうと思うな。

国立民族学博物館とか、日本文化研究センターとかの「研究会」に参加することで箔が付く、とか、そういう名声のロンダリングを「文系」も普通にやってますやん。で、その博物館や研究センターの成り立ちや事業規模は問わないっすか? 金額換算したときの桁が違っていれば、切り捨てで不問、っすか?

哲学入門 (ちくま新書)

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名古屋大は、工学系学部が2つもあるのに宇宙物理のない阪大とは気風が違うのかなあ、と思った。

文系と理系、という疑似問題を温存するか、その先へ突き抜けるか、あなたはどうする?という問いを立てると、これもまた、さっきの件とどこかでつながりそうな気がしてくる。

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全作品解説 (叢書ビブリオムジカ)

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名古屋大の宇宙物理出身でチェロを弾いていた人がベートーヴェンやワグネルを偏愛する、というのは、「理系は文系と違うなあ……」な人と位相が反転したところにいるのかもしれないが、これもまた「実在」である。

両方が存在してしまっているそんな世の中じゃ、ポイズン……なのか? 並び立っちゃうことで人が右往左往するのは、むしろ、ありそでなさそでやっぱりあることが確かにあるんだなあ、って感じで、結構面白いことになってるじゃないか、と私は思う。