偉いぞ、金子鈴太郎!

土曜日に、長岡京室内アンサンブルが委嘱した新垣隆の新作、聴いてきた。

本気の「現代音楽」です。(春の小川のデフォルメがあったり、最後に、まるで武満徹の曲末の詠嘆みたいに「うた」が浮上したりして、これらを水面下で制御しているロジックが、あるかもしれない、と思いつつ、そこまでは一度聴いただけではわからなかったけれど……。)

この時期にコンサートが実現したということは、相当早い段階で委嘱したはず、と思っていたら、チェロの金子鈴太郎が高校・大学の後輩で、彼が森悠子先生に話をもちかけて……というようなことらしい。

「一年前に委嘱した」という発言が何度も出てきたが、昨年は2/9に、やはり長岡京音楽祭の一環として彼らがコンサート&レコーディングをしたそうなので、おそらく、その前後に話がまとまったのだろう。

ということは、

「彼」(←舞台上で新垣を交えたトークもあったが、終始、「彼」は「彼」と呼ばれていた)をめぐる記者会見が昨年の2月5日なので、たぶん、金子くんは、騒動勃発で、すぐに動いた、ということだと思われます。

偉い!

いい音楽家は打てば響く。たぶん、水面下で、こんな風な「動き」が色々あったんじゃないかと思う。そしてそういうライブ・パフォーマーたちの動きは、管理者が「カプセル」に封じ込めようとしても、こういう風に、ときどき見えるんだよね。

(増田先生、「彼」の一件はこういう風に今も動き続けているのですよ。)

長岡京アンサンブルでは珍しく、複雑な曲だからということで新垣が指揮をして、メンバーは舞台上にシンメトリカルな配置。

下手の第1ヴァイオリンのトップに高木和弘がいて、上手の第2ヴァイオリンのトップに谷本華子がいて(←アンコールのヴィヴァルディはコパチンスカヤみたいだった、かっこいい)、中央に3人並んだチェロの真ん中が金子くんで、その後ろにはセンチュリーに入ったヴィオラの増永くんがいる。

長岡京室内アンサンブルの結成は、奇しくも、「彼」が「彼」になったのと同じ年らしいのですが……、

バルトークのディヴェルティメントを聴きながら、みんなオトナになったよねえ、と思う。

そして、

(ネットに主催者の制御できない情報が流出、とか言われようとも)

そら、こういうのを聴いたら、感想書きますよ。それが人情じゃないか(笑)。