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「嗤う日本のナショナリズム」

北田暁大「嗤う日本の「ナショナリズム」」ISBN:4140910240もとになった「世界」2003年12月号の論文がとても面白かったので、早速、読ませて頂いたのですが、80年代論のあたりから、違和感が募ってしまいました。146頁で、「アイロニー」と「ユーモア」の区…

「ポピュラー音楽を作る」

ジェイソン・トインビー(安田昌弘訳)「ポピュラー音楽をつくる―ミュージシャン・創造性・制度」ISBN:4622071029「憂鬱と官能を教えた学校」(ISBN:4309267807)を読むと、20世紀のポピュラー音楽の「理論」が、いわゆる「西洋音楽」と、(段差はあるにして…

「憂鬱と官能を教えた学校」(4)

これは、この本というより、たぶんバークリー理論の弱点なのだろうと思いますが、モードの問題に、和声の側からアプローチするのは、やや無理がある気がしました。ポピュラー音楽理論の現状がそうなっている、というのは理解できるし、現状の理論の危うさを…

小谷野敦「評論家入門」

各論に入ると、「論理」に恋いこがれる片思いの人が、嫉妬の対象に「非論理性」を見る、酸っぱいブドウがたくさんあって……、終わったもの(近代文学)を、終わっていないと言い張るのは、やっぱり、あまりかっこよくないかも、と思ってしまいました。でも、…

「憂鬱と官能を教えた学校」(3)

「MUSIC MAGAZIN」の書評(増田聡)を読んで、「モダニズムの総括」という言い方に納得。色々な分野でそういうことがなされているのだと思いますが、音楽でこれをやろうとすると、モダニズム批判と「親殺し」風のクラシック音楽批判が重ね合わされてしまって…

「憂鬱と官能を教えた学校」(2)

真ん中あたりに、石塚潤一氏のシリンガーに関するレポートが掲載されていました。ポピュラー音楽のコードネームは、対位法を捨てたことで、ヨーロッパの伝統的な調性和声とは似て非なるものになった -- というのは、漠然と感じていたことですが、その起源を…

「憂鬱と官能を教えた学校」

最初の方を少し見ただけですが、とても面白い、というか、とても上手な講義だと思いました。メシアンを聴かせて、「今かっこうが鳴きましたよね」と楽しんでしまう呼吸とかを含めて、今、現場で音楽理論を教えるとしたら、こういうスタンスになるでしょうね…