グリーグはライプチヒ音楽院に学んでいて、ピアノ協奏曲はシューマンそっくり、というのはお決まりの曲目紹介ですが、ローマでリストに会ってピアノでこの曲を弾いたら、ひどく気に入られたらしい。
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ワイマールに移って以後のリストには、東欧・ロシア・北欧の後進を祝福する音楽のナショナリズムの司祭のような感じがあるんですよね。(そしておそらくいわゆる「新ドイツ派」は、このビッグネームを神輿に担ぐものだから、やり手ではあるけれども狡猾な印象を与えたのだろうと思う。「リスト本人は立派だけれど、それにひきかえ、周りの取り巻きは……、困ったものだよねえ」みたいな感じ。)
調べる必要があってNMLのセーゲルスタムの演奏を聴いたら、ピアノを含めて気宇壮大でびっくり。でも、私心のなさそうなスケール感で、きっとこれなら、交響詩の人フランツ・リストも満足したのではないかと思う。
http://ml.naxos.jp/album/bis-cd-375
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2月にセーゲルスタムが大フィルでこの曲をやりましたが、こういう風にやりたい人だったんですね。なるほどこれに応じようとすると、ピアニストもよほど器の大きい人じゃないと大変だ。
ナショナリズムかくあるべし。
でも、リスト本人の交響詩や交響曲はなかなか演奏されないんですよね。「私心なく雄大」という構えが、今の人は苦手なのかな。たしかに「レ・プレリュード」とか、かつての朝比奈さんみたいな人じゃないと、演奏するのに照れてしまうのかも。
今やれるとしたら、「リエンツィ」序曲に恥ずかしがらずに共感できるティーレマンくらいか(「キミ、本気で本気にそういうことをやってるの?」と質問したい気がしてしまう人ではあるけれど)。
ドラッカー先生は、経営者論の歴史を概観するなかでサン=シモンにも言及していますが、リストが心酔し、オーギュスト・コントも影響を受けたというサン=シモン主義の正体はどういうものだったのか。昔から気になっております。
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クラシック音楽とりわけオーケストラ音楽を好きになるなり方のひとつの類型として、「社長体質」というのが絶対ありますよね。組織を率いる指揮者に感情移入すると気持ちがいい、というやつ。そういう種類の気持ちよさを誘発する音楽の系譜、そういう風に音楽/オーケストラを受容する人々の群像みたいなものは、やりようによって、きっと面白いお話になるんじゃないかと思う。アルファ・ベータの中川右介さんがつかんでいる鉱脈、ということになるのでしょうか。
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