演奏会

京都市交響楽団第500回定期演奏会(の演奏評)

5/12に行われた京響500回目の節目の定期演奏会(京都コンサートホール)。「京都新聞」に批評を書きまして、予定通りであれば、本日の夕刊に出るようです。(出ていなかったらごめんなさい。私自身は京都に住んでいないので、あとで掲載紙を送っていただ…

アナ・チュマチェンコと仲間達

滋賀県大津市のしがぎんホール。前半はチュマチェンコのヴァイオリン(ピアノ、占部由美子)でベートーヴェンとシューベルト、後半は、この演奏会をプロデュースしたヴァイオリンの玉井菜採さんらが加わってドヴォルザークのピアノ五重奏曲。22日(火)には…

大阪アーティスト協会×ムラマツリサイタルホール提携企画2007「木曜リサイタル」作曲家シリーズ

ご案内が遅れてしまいましたが、新大阪のムラマツリサイタルホールで「木曜リサイタル〜作曲家シリーズ」という企画がスタートしています。 かつて学校の音楽室には、大作曲家の肖像画が飾られていたものです。そんな懐かしい情景を思い出しながら、一晩にひ…

大阪フィルハーモニー交響楽団(大阪国際フェスティバル2007)

大植英次さんの指揮でブルックナーの交響曲第8番(ハース版だったらしいです)。大植・大フィルは、昨年のマーラー5番に続いて、大阪国際フェスティバル二度目の出演ですね。定期演奏会がザ・シンフォニーホールへ移ってから、大フィルをフェスティバルホ…

大阪フィルハーモニー交響楽団第407回定期演奏会

指揮:大植英次、ザ・シンフォニーホール。昼間の仕事の都合で遅刻して、後半のショスタコーヴィチ交響曲第5番しか聴けなかったので書くのは遠慮しようかとも思ったのですが、色々と大事な節目の演奏会だったのかな、と思うので感想を。まず、なんとなく煽…

大阪シンフォニカー交響楽団第115回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。指揮、大山平一郎。 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲(独奏、チョー・リャン・リン) 同 交響曲第3番 「大山&シンフォニカーにハズレなし」、もうそういう風に言い切って良い気がします。いつもにも増して突飛な比喩になってし…

ゲルハルト・ボッセのメンデルスゾーン

先月の大阪センチュリー定期(2/16、ウェーバー「オイリュアンテ」序曲、ベートーヴェン「交響曲第2番」、メンデルスゾーン「スコットランド交響曲」)と、今日の神戸室内合奏団定期(メンデルスゾーン「最初のワルプルギスの夜」、「スコットランド交響曲…

大阪フィルハーモニー交響楽団第405回定期演奏会

大植英次さんが出演できなくなって(ドイツで療養中のようですね)、急遽クラウス・ペーター・フロールの指揮で、曲目もモーツァルトの交響曲40番とチャイコフスキー「悲愴」に変更された演奏会(ザ・シンフォニーホール)。本当に色々なことを思いつく指揮…

エルサレム弦楽四重奏団

夜、神戸新聞松方ホール。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。前半が第1、12番、後半が第8番。悠然と弾いている姿も、弓が弦に吸い付くような弾き方も、いかにも東欧から来たスタイルという感じですが、過剰にねっとりしたものではなくて、普通に上手いな…

大阪シンフォニカー交響楽団第20回いずみホール定期演奏会

「朝日新聞」の批評欄などでもご活躍のバルトーク研究家、伊東信宏さん(阪大の先輩……)が、数年前ザ・フェニックスホールで、堺市の山本宣夫さんのコレクションなどをベースに、クリストフォリのレプリカからコンピュータ制御の試みまで、ピアノの300年の歴…

馬淵昌子ヴィオラリサイタル

夜、ザ・フェニックスホール。前のエントリーのいずみシンフォニエッタ大阪を前半で抜けて、そのあとこの演奏会へ行きました。シューマン「おとぎの絵本」、ヒンデミットのヴィオラソナタ、西澤健一さんの「Into the Dark After a Little While」(新作→いず…

いずみシンフォニエッタ大阪第15回定期演奏会「管楽器とパーカッションの魅力」

[追記3] ショスタコーヴィチ談義に続編を追加しました。id:tsiraisi:20070203#p3だらだらシツコイとお思いでしょうが、考え始めると行くところまでいかないと気が済まない性格なのです。すみません……。[追記2]この日行ったもうひとつの演奏会について、エ…

第37回サントリー音楽賞受賞記念コンサート鈴木秀美

東京まで聴きに行きました(サントリーホール)。バッハの無伴奏チェロ・ソナタ第1番は、一口に舞曲といっても、これだけ多彩な表現法・レトリックがあるのかと驚かされましたし(クーラントはアウフタクトに推進力があって、第1拍は力が解放されてふっと…

大阪シンフォニカー交響楽団第114回定期演奏会

(追記あり、演奏会の感想を追加、長文です)本日、19:00からシンフォニーホールです。指揮:寺岡清高、シューベルト交響曲第4番「悲劇的」、マーラー交響曲 第4番(ソプラノ:半田美和子)。曲目解説を書かせていただきました。大阪シンフォニカーのホー…

三橋桜子チェンバロリサイタル

午後、京都府立府民ホール・アルティ。バッハ「イタリア協奏曲」、ラモー「コンセールによるクラヴサン曲集」より、ハイドン「カプリッチョ<8人のへぼ仕立屋に違いない>」、モーツァルト「組曲」K. 399、パブロ・エスカンデ「パルティータ」。耳を澄ます…

宮川彬良&アンサンブル・ベガ with 鮫島有美子 ニューイヤーコンサート

午後、兵庫県立芸術文化センター。広大な会場(大ホールです)で、ちょっとやりづらいところはあったのでは、とも思いましたが、最終的にはきっちり満足させてくれるステージでした。日経新聞夕刊(大阪本社)に、この演奏会の批評を書いています。「言葉・…

大阪フィルハーモニー交響楽団第403回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。ヴィンシャーマンの指揮でバッハ「ブランデンブルク協奏曲」全曲。今回は曲目解説を書かせていただいたのですが、いくつか誤記がありました。原稿が遅くなって、タイトな日程の中、著者校正まで出していただいていたのに、私のミス…

京都市交響楽団第493回定期演奏会

[追記あり]夜、京都コンサートホール。大友直人指揮でメインはマーラーの交響曲第1番。大友さんは、常任指揮者に就任した年にもこの曲を取り上げていましたが、その時よりも落ち着いたテンポで、第4楽章のメロディの歌わせ方にこだわりを見せたり(その分…

いずみシンフォニエッタ大阪第14回定期演奏会「武満徹に捧ぐ」

午後、いずみホール。「Rain Comming」、「群島S.」という80年代以後のロンドン・シンフォニエッタのための作品、ガーデン・レイン、ウォーター・ウェイズという水にまつわる室内楽(良くも悪くも、武満徹といえば「水」というパブリック・イメージが今も強…

猿谷紀郎(作曲家) が語る武満徹「意識された空間」

あれはたしか、高関健さんが大阪センチュリー交響楽団の常任指揮者を惜しまれつつ(と言ってよいと思います)退任される直前、いずみホールでベルクの室内協奏曲その他を取り上げた演奏会のロビーだったと思うのですが、音楽学者(大学の先輩ですが)の伊東…

大阪シンフォニカー交響楽団第108回定期演奏会

大山平一郎指揮、ザ・シンフォニーホール。シンフォニカーは、オーケストラはこういう風に弾くもの、というような慣習にとらわれずに、まっさらなところから演奏を作っている印象があるので、是非この先も「統合」されることなく独自路線を続けて欲しいと思…

右近恭子ピアノリサイタル ベートーヴェンシリーズIII

イシハラホール。肩肘張らずに楽譜を読み解いていく堅実な演奏。ハ短調変奏曲のシャコンヌのリズムや各変奏のリズムの個性をはっきり際だたせるやり方があるのではないか、最後のハ短調ソナタ、特に終楽章は淡泊すぎないか、といった感想を持ちましたが、シ…

クレマン・ジャヌカン・アンサンブル

ザ・フェニックスホール。「鳥の歌」と題した、ジャヌカンとルジュヌの世俗歌曲集。必要に応じて、お互いの声を溶けあわすこともできるし、声域の違いだけでなく、それぞれバラバラの声質で個性を主張することもできる芸達者ぶりがこのグループの特徴だと思…

伊藤勝ピアノリサイタル

いずみホール。やんちゃ坊主のように、ルーズだけれど抜け目のないスタイルがこの人の持ち味だとは思いますが、今回は崩れすぎ。シューマン「アラベスク」、「謝肉祭」、リスト「ペトラルカのソネット第47番」、プロコフィエフ「ソナタ第6番」。

室内楽友の会302回例会 チェロアンサンブルの愉しみ

午後、京都府立文化芸術会館。上村昇・河野文昭と上森祥平・林裕・藤森亮一、二世代が良い形で組み合わさって、毎年、本当に楽しみな会です。媚びることなく、威張ることもない、良質のサークル活動。ヴィヴァルディ「協奏曲」ト短調、ラロ「間奏曲」、チャ…

林田明子ソプラノリサイタル〜花のことづて〜

午後、京都府立府民ホール。癖のない声で、言葉と表情が無理なく伝わるというのは驚くべきことだと思います。まさに花束のように色とりどりの選曲。ピアノ、船橋美穂。 フォーレ「花と蝶」、「イスファーンのバラ」、シューベルト「世咲きすみれ」、モーツァ…

大阪フィルハーモニー交響楽団第394回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。大植英次の指揮で、プッチー二「トスカ」(演奏会形式)。大植・大フィルがやれば、オーケストラが単体でまとまってしまい、それ自体としては端正で迫力十分だろうけれど、声が添え物になってしまう……というのは、ほぼ予想通り。横…

生誕250周年記念モーツァルト・ツィクルスNr.9 下野竜也(指揮)京都フィルハーモニー室内合奏団

午後、京都コンサートホール小ホール。合唱団・京都エコーのメンバーによる世俗・宗教合唱曲集。「アヴェ・ヴェルム・コルプス」と「戴冠式ミサ」がきれいにまとまったのは、下野竜也のオーソドックスなアプローチのおかげ。弦楽合奏版「アダージォとフーガ…

シャガールのヴァイオリン〜中・東欧の村の楽士たちと20世紀音楽の前衛

ザ・フェニックスホール。19世紀東欧から20世紀に大西洋を経て北米へ、そして満州を経て日本へと伝播したロマ(ジプシー)とユダヤ人楽師(クレズマー)の音楽。市民社会的なネーションの垣根を横断するその地下水脈的な広がりを見極めたいという講師、伊東…

京都市交響楽団第483回定期演奏会

京都コンサートホール。指揮、大友直人。メンデルスゾーン「スコットランド交響曲」は、個性のない語り口だけれど、寒々とした序奏、ひなびた城、明るい太陽の下での踊りといった音色の変化は見事。台詞や演技はいまいちで映像は美しい、ファッショナブルな…