2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

外題・内題

和本入門 (平凡社ライブラリー)作者: 橋口侯之介出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2011/09/10メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 書誌学の入門書というのは別に色々あるようですが、それはともかく、和本では…

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(それにしても、空気と立ち位置の読み過ぎで、もう、何いってるのかさっぱりわからなくなっちゃってる人がいるな。)

共和制と宗教

「表現の自由」という理念の問題というより、第三共和政がカトリック教会を政治から分離してやっと安定して以来の共和制と宗教の問題なんじゃないのか。特定の信仰を旗印にしたとしても、それを例外とは認めない、という。共和主義者として腹をくくることの…

押尾愛子『朝比奈隆のオペラの時代 武智鉄二、茂山千之丞、三谷礼二と伴に』

http://honto.jp/netstore/pd-book_26518644.html1月半ばには市中に出回るのでは、とのことですが、関西歌劇団のオペラ(ということは事実上、昭和後期の関西のオペラ)を武智鉄二、茂山千之丞、三谷礼二の三人の演出家に焦点を当ててまとめる本が出ました…

ショスタコーヴィチの処遇

ショスタコーヴィチ:歌劇《ムツェンスク郡のマクベス夫人》ネーデルラント・オペラ2006 [DVD]出版社/メーカー: 日本コロムビア発売日: 2012/01/18メディア: DVD クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る 年末にようやく観て、ソ連がイケイケだった…

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まあ、なんということかしら。2015年1月8日。「死人が出るわ」http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20150108/p1↓翌日。「死人が出たわ(外国)」(そしてこの後に及んで、まだ言い訳を探すのに躍起な人がいるわ。モダニズムの天真爛漫(グリーンバーグ)が懐かし…

競技の瞬間、上演の時間

https://twitter.com/smasuda/status/553459323846680576「瞬間芸術」って、たぶん、コンクールの本番一発勝負とかそいうことではなかろうか。ゴルフのスイングやテニスのサーブの「瞬間」のお静かに/Silence pleaseというのと隣接する「競技」として音楽な…

祝と呪

いや、だから、モダンな制度に付随する「伝統」が、何かの誕生や試練の通過、異者の到来などへの儀礼の作法に裏打ちされているか、形骸化しているか、という話なんだけど。そういうときに、祝いより呪いの言葉が先に立ち、表に出るのは不気味だな、と。ひょ…

伝統(創られた)と慣習

ホブズボウムは、モダニズムによって創られた伝統の硬直と、共同体の融通の効く慣習を区別する。今なお傾聴に値する提案、CSのイデオロギーとして消費したら終わりとは思えぬ仮説であろう。そして私見では、創られた伝統は「観光」の出現で対消滅するが、慣…

毒には毒を、不機嫌には不機嫌を

(ところで、このエヴァンズはなぜか「エヴァンス」と表記されることが多い。なぜだろう?) キース・シャドウィック『ビル・エヴァンス――ミュージカル・バイオグラフィー』にがっかり ( イラストレーション ) - Le plaisir de la musique 音楽の歓び - Yaho…

ロシアからウィーンへ、ロシアから蝦夷へ

馬琴綺伝作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/03/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 節目節目に同時代のヨーロッパの動静が挿入されるので、馬琴は1767年生まれでベートーヴェンと同世代(ということはナポレオンと…

「スペックと実装」というモダニズムの罠

「○○とは何か/何だったのか」という問いを立てたら、まず真っ先に○○の spec を確認する。ひとまず順当な手順だとは思うのだが、この場合、spec の読み方が問題になるような気がする。spec は仕様と訳されるけれど、語感としては「見積もり」と言ったほうが…

『現代音楽の創造者たち』

シュトゥッケンシュミットの本を大学へ返却する期限が迫ってきたので慌てて読んだら、昭和34年に吉田秀和訳で出た『現代音楽の創造者たち』(原著 Schöpfer der Neuen Musik. Portraits und Studien, Frankfurt: Suhrkamp, 1958)が一番よく出来ているように…

キッチュ再訪

グリーンバーグ批評選集作者: クレメントグリーンバーグ,Clement Greenberg,藤枝晃雄出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2005/04メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 30回この商品を含むブログ (75件) を見る 20世紀のグラフィック・デザインの話をものすご…

立て、立つんだ!

世の中はエコでオーガニックな「ピリオド」の先へ行って、どんどん面白くなってるじゃないですか。鳥の羽ばたきがはっきり聞こえる良い演奏だし……。ギリシャ人なんですね。ドイツから見放されそうな経済状況だったとしても、こういう面白いお兄ちゃんが出て…

賭場が開く、初春経済ダービー

講談社や文藝春秋の取り扱いになると、クラシック音楽の手を離れて「現代文化研究」の人が色めき立つ。 → 例:佐村河内みすず書房が翻訳すると、経済学者の分厚い本が本屋の哲学の棚にならぶ。 → 例:あれだよあれ ぼくらの近代建築デラックス!作者: 万城目…

I'm going to step off the LM now.

I'm going to step off the LM now.これより着陸船から足を踏み降ろす。That's one small step for (a) man, one giant leap for mankind.これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。 ニール・アームストロング - Wikipedia…

「その仮説と類比的な思考法の変換」

カントの純粋理性批判は、コペルニクス的転回(Wende)とすら言っていないし、まして、Revolution とは言ってないようですね。 Wörtlich findet sich in Kants Schriften der Ausdruck jedoch nicht. Erst in der Rezeption der Kritik der reinen Vernunft …

近代的不幸/現代的不幸

小熊英二のこの対比は翻訳不可能だよね。近代と現代って、どっちも modern になってしまう。68年を「ポストモダン」の原点だ、と立論すると新左翼風になっちゃうし、「近代」を別の語彙に言い換えるのは、著者が一環してやろうとしているっぽく思われる「近…

グラフィック・デザインと19世紀の楽譜

グラフィック・デザインの歴史 (「知の再発見」双書)作者: アランヴェイユ,柏木博,Alain Weill,遠藤ゆかり出版社/メーカー: 創元社発売日: 2005/07メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (13件) を見るヘルベチカってスイスなんだ&…

ça va

(大阪へ来てすぐのころ、母は鹿児島にいた頃と同じように鯖の刺身を市場で買ってきたところ、父が当たってしまい、以来、我が家では夏場に刺身(鯖のみならず)を食べなくなった。年末年始は八尾で母と過ごしたので、「それは鮮度の問題じゃなかったらしい…

コクトー

悲恋《IVC BEST SELECTION》 [DVD]出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)発売日: 2013/03/29メディア: DVDこの商品を含むブログを見る 「悲恋」ちょっといいかも、と思ってしまったけれど、やっぱりこれ、「恐るべき子供たち」と何も変わらないかもしれない。 恐…

Comparative Advantage

「比較優位:複数の対象が同一の尺度で順位付けされ、その順位が、当該尺度の有効範囲を越えてその対象に常につきまとう状態。たとえば、学歴でその後の人生が決まってしまうとされる近代日本社会など。」その文章を最初に読んだときには、まったく文意が理…

アウェイ感

ロトの第九は、欧州リーグで輝かしい実績をあげた人を日本代表のコーチに据えたのはいいが、最初の試合で色々まだチグハグ、という風に見えた。最大の「戦犯」は、うら若い女性をアップで抜くことしか頭にないNHKのカメラワークであろう。ヤルヴィは、N響で…