2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧
もしも将来コンサートが死滅して、音楽は全部録音を手元の再生装置で聴くしかなくなったとしたら、20世紀のライブ録音を聴いて、「なぜ演奏の前に長々と拍手が続くのか、仰々しい」と文句を言う人が出るかもしれない。コンサートがない世界の人には、演奏家…
グールドは演奏中ずっと左右に振り子のように揺れていて大変目障りなわけですが(笑)、たぶん、楽譜の指定の拍子とは違うビートを刻んでいるんだと思う。6/8の第1楽章は8分音符4つずつでカウントして2小節を3分割、3/4の第2楽章は8分音符3つずつでカ…
ということで「音楽のエッセンツィア」というシリーズが瓦解・消滅した先に何があったかというと、三輪眞弘の作品が上演されたわけだが、私は前半の退屈な2つの作品が一番面白かった(変な言い方だが)。後半のアコーディオンとMIDIキーボードは、色々リク…
上のエントリーで書いたことはつまり、「音楽のエッセンツィア」というシリーズのコンセプトには、「集客力のある内容にする」というのが最初からシリーズのルールとして書き込まれていたはずなのに、結局5連敗だったな、ということだ。最初の西村朗がもし…
(タイトルも内容もすべて書き直しています)
いちおう説明しとくと、増田聡センセの欧米のCultural Studiesと日本のカルスタは別物になってる、という話は、大学人としてちゃんとせなあかんなあ、という訓示のなかに、ちゃんとした大学人に比べたら、批評なんてクズだ、と言っているかのような含意(オ…
http://blogs.yahoo.co.jp/katzeblanca/26208208.html「いい演奏だったね」と言い合っている人に読まれる覚悟なしに批評は書けまい。当たり前だ。http://blogs.yahoo.co.jp/katzeblanca/26203724.htmlクラシック音楽の古典と前衛、そして民俗音楽の均衡、と…
「関西には全国レヴェルの音楽雑誌があるわけではないし、海外からアーチストを招聘する音楽事務所もない。そんな環境のなかで、どうして音楽ジャーナリズムが成立しているのだろう。そんな素朴な疑問を抱いた私は、関係者に取材してみることにした。大阪在…
METのマクベス最終日、行ってみたら梅田は完売。ネトレプコ様のご尊顔を拝見できなかったのは残念至極だが、めでたいことではある。開始を30分遅くして行きやすくなっているし、何か売り方を変えたんですかね。「音楽業界」の人が厚化粧な書類を作るスキルを…
「すぐれて批評的、演劇的でありその重層性に舌を巻く」https://twitter.com/MegumiMorioka/status/529982901476003840「無機的行為の先に、太古の風景が立ちのぼるパラドックス」http://www.nnn.co.jp/dainichi/rensai/stage/141105/20141105034.htmlムツカ…
今は「もう後戻りできないところへ新自由主義が舵を切った格差社会」で、「自民党が長期政権になりそうだから当面この流れが続く」だと聞く。格差社会さんは、「富裕層さんと貧困層さんをくっきり分けて、肉厚だった中間層さんを切り崩す危険なダイエットを…
モダン・ピアノのダブルエスケープメントというと直接的には高速同音連打を可能にする機構なわけだが、実際の音楽でこれが一番効き目があるのはトリルなんじゃないか、というのがピアノを弾く人間の実感であるようだ。トリルは指先の運動と機械としてのピア…
ポピュラー音楽から問う―日本文化再考作者: 東谷護出版社/メーカー: せりか書房発売日: 2014/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る
その方面では有名なんでしょうか。Gruppo di Improvvisazione di Nuova Consonanza というらしいのですが、あの頃の感じ満載ですよね。
http://www.nnn.co.jp/dainichi/rensai/stage/141105/20141105034.html第一段落:いったい何の話をはじめようとしているの? と話者を釣り込む書き出し → 新聞記者が書くやや長めのレポートのリード文の典型をなぞったもの第二段落:第一段落を受けて、○○に…
(「町おこしでB級グルメ」は上昇機運がある公共投資なのだろうか……。広告代理店がうまい汁を吸えるしくみを作れるかどうか、じゃないかなあ。大衆演劇や太神楽は、マジで旅から旅に出て、中央が束ねられなさそうだから……。)
チャイコフスキーは役人の頃からペテルブルクの劇場に通い詰めて、往年の西欧への憧れと幻想を眼前に繰り広げるオペラやバレエを見ながら、なぜかこれを「シンフォニー」だと思ってしまった人なのではないだろうか。小鍛冶邦隆さんが、あのオーケストレーシ…
(「超知性主義」ってオカルトの言い換えだよね。悟空のカメハメハ。)
古都のオーケストラ、世界へ! ──「オーケストラ・アンサンブル金沢」がひらく地方文化の未来作者: 潮博恵出版社/メーカー: アルテスパブリッシング発売日: 2014/09/12メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る
広告文化に毒されると学者も「受ける」プレゼンを工夫する。「講演のキーワードは3つまで」とか、売り出し中の頃の岡田暁生や伊東信宏はよくそんなことを言っていたが、舞台にしばしば「3(人)」が出てくるのもそれではないか。一発勝負の舞台にあまり多…
オペラの運命―十九世紀を魅了した「一夜の夢」 (中公新書)作者: 岡田暁生出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2001/04メディア: 新書購入: 7人 クリック: 37回この商品を含むブログ (37件) を見る
声体の手術をしたあとの記者会見で、微妙に喉がザラついたような声を作る松尾貴史。最初からこれを期待した抜擢&台本なんだったら凄すぎるが、たぶんそうじゃなくて、久米や古館の物まねができる人ということで人選をしただけなのに、「役作り」で本人がそ…
前に調べていて「へえ」と思ったのだが、朝比奈隆は関響/大阪フィルや関西歌劇団のスタッフに大卒を結構入れている。昭和30年代、まだ中卒集団就職なんかがあった時代のこと。西日本唯一のオーケストラは高学歴の職場だったようです。 「つながり」の戦後文…
(1) 若田部先生は、新書で開口一番「経済学は役に立ちません」と言って、聞き手の栗原さんが「ええ!」とお約束にリアクションしていたんじゃなかったっけ? 株のトレンドを云々する投資家や経営者の自慢話を経済学者があれは経済学じゃない、と言うのは、漱…
「ソーシャル」でビジネス・マインデッドな人が顔をさらして作文せねばならない機会が増えているようだから、ビジネス文書の書き方とは別に、顔の見える仕事の文章の書き方教室には、結構な需要があるんじゃないか。どこぞの音楽ホールの広報とか、全国から…
ある世代以上の人たちは、作文教育(私の思いのたけを綴る)とビジネス文書(客観性重視)を過剰に峻別して育ったせいなのか、人目にふれる文章に「私」という主語を出すことを極端に恐れる傾向があるように思う。(たとえば大久保賢もこの病気を患っている…
ボサノヴァ。これもまた暑苦しい私の人生を一瞬通り過ぎてそれっきりなのであろうと思われますが(笑)、サウダージでトリステなんでしょうか。ウィキペディアにいいと書いてあったのでYouTubeで探してみたら、ジョビンとシナトラが共演したイパネマの娘があ…
(前から疑問なのだけれど、この人はチェコの大学の先生をしていたようだが、日本とあとはどこで仕事をしているのだろう。ドイツ語版ウィキペディアには立項されていないし、英語版ウィキペディアの Radomil Eliška は、簡単な経歴のあとに、わざわざ「In Ja…
ピアソラの「タンゴの歴史」。まあ色々なクラシック演奏家が取りあげるわけですけれど、日本にはとっても詳しいピアソラ研究家がいらっしゃるので本を調べたら成り立ちはそれでわかる。委嘱&初演者の名前もわかるので、iTunes Storeへ行ってみると、1986年…
劇場通り (クラシックス・オン・ダンス)作者: タマラ・カルサーヴィナ,東野雅子出版社/メーカー: 新書館発売日: 1993/02/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る