2011-01-01から1年間の記事一覧

指折り数えて「その日」を待ちわびるディジタス国のお姫様、そこへ忍び寄る怪物アナロゴス、はたしてその正体は?:音楽演奏における「アナ・デジ」のお話

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[9/2 初稿は、荒っぽく書き飛ばして本筋が伝わりにくかったようなので、リライト版。とりあえず前半。9/3早朝 中盤まで来ました。あとひといき。今夜はここまで。9/4 時間がないので、とりあえず、「新即物主義」との対比でジェフスキーのハンマークラヴィア…

霊媒のことば

メノッティ:「泥棒とオールド・ミス」「霊媒」 [DVD]出版社/メーカー: ナクソス・ジャパン発売日: 2010/12/15メディア: DVDこの商品を含むブログ (2件) を見るMediumつながり。本文と特段の関係はありません。

清く正しい音楽学会を創ったのは誰か?:『日本音楽学会30年史』(『音楽学』第33巻特別号、1987年)【短縮版】

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音楽学会の黎明期の歴史の記事は、これをきっかけに「銀次」へ興味をもってくださった方がいらっしゃるようで何よりなのですが、反面、「長い」(しかも3回続き!)とのご意見をいただきました。そこで雑談等をカットした短縮版を作ってみました。引用・デ…

訃報と短信

演出家の鈴木敬介さんが22日に亡くなったと知りました。若杉弘さんに続いて、びわ湖ホールのヴェルディ・シリーズを牽引したお二人が相次いで……。私は、「エルナーニ」で女性だけの場面になってパッと花が咲いたような雰囲気になるところが好きでした。1999…

サラリーマンのサラリーマンによるサラリーマンのための硬派な音楽論があってもよさそうなのに……

2つ前のエントリーで、色々なことがすっきり整理できたような気がしていたのですが、音楽美学なるもを標榜する有閑な方々は唖然とするほど察しが悪いらしいことが判明したので、少し補足します。当たり前すぎる前提だと思って書かなかったのですが、わたく…

最近読んだ本三冊(学問がやってしまったことへの羞恥心を取り戻すために)

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カルチュラル・スタディーズ (思考のフロンティア)作者: 吉見俊哉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/09/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (23件) を見る

戦後日本は二次元プロット(図表)の時代だったのか?

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ほぼ直前のエントリーの続きです。柴田南雄における「科学的方法」や吉田秀和における「書物の編集」が、どうして高度成長期のサラリーマン社会と相性が良かったのだろう、と考えたときに、直観的に思い浮かんだのが、会社員な皆さまの図表好きなのです。岡…

サラリーマンは吉田秀和を「お前」と呼ぶ(『批評草紙』正・続(1965年)のこと)

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音楽之友社から1965年に出た吉田秀和『批評草紙』と『続 批評草紙』は、同社『音楽芸術』に色々なタイトルで書き継いできた連載などから、39編を選んでまとめた本。吉田秀和が音楽之友社から翻訳ではないエッセイ集を出したのは、これが最初です。なんとも不…

広渡勲のスペクタクル(兵庫県立芸術文化センターの「こうもり」のこと)

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『音楽の友』のグラビアに佐渡裕×広渡勲対談とコヴァルスキーのインタビューが出ていますが、先月の「こうもり」について、日経の批評にも、音友の記事にも上手く入れられなかったお話。私個人の感想としては、マダムが一晩で百万円使ってしまう高級ホスト・…

ヴェルディと弘兼憲史

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[8/18 後ろの方の吉田秀和体験談を少しずつ書き足しています。8/21 1970年代の朝比奈隆のヴェルディについて、短いコメントを追加。]2つ前のエントリーで、吉田秀和が1954年にブレイク直前のマリア・カラスをスカラ座の「ドン・カルロ」で観たらしいと書き…

朝比奈隆とベルリン・フィル定期演奏会(Abonnementkonzert)

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ベルリン・フィルが100周年を記念して刊行した公式記録 Peter Muck (hrsg.), Einhundert Jahre Berliner Philharmonisches Orchester, Hans Schneider, Tutzing, 1982, 3 Bde の第3巻にBPOの全演奏記録(漏れや不審点はあるらしいのですが)が出ていると教…

山根銀二と吉田秀和をめぐる3つの断章

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[二人の大物音楽評論家のことなので、昭和の評論っぽいタイトルを付けてみました。]

音楽学・ソルフェージュ・音楽理論(清く正しい音楽学会を創ったのは誰か?:補遺)

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[8/19 意外に読んでいただいてるようなので、真ん中に一部加筆。]「楽理」という言葉を「音楽の理論とそれを用いた分析」のような意味で使う例があることを知り、ちょっと考え込んでしまいました。

先行文献

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レオ・シロタやクロイツァーの評伝を書いた山本尚志さんが、数年前に『日本音楽学会30年史』を資料として、音楽批評と音楽学の関係を考察していらっしゃったことを知りました。 日本を愛したユダヤ人ピアニスト レオ・シロタ作者: 山本尚志出版社/メーカー: …

清く正しい音楽学会を創ったのは誰か?:『日本音楽学会30年史』(『音楽学』第33巻特別号、1987年)(3/3)

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(6) まとめ

清く正しい音楽学会を創ったのは誰か?:『日本音楽学会30年史』(『音楽学』第33巻特別号、1987年)(2/3)

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(4) 『音楽学』と音楽之友社

清く正しい音楽学会を創ったのは誰か?:『日本音楽学会30年史』(『音楽学』第33巻特別号、1987年)(1/3)

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[8/29 雑談等をカットした短縮版を作成・公開。→ http://www3.osk.3web.ne.jp/~tsiraisi/musicology/article/msj.html ]「白石知雄は学会批判をしている」ということになっているらしいのですが^^;;、吉田秀和は設立時の発起人の一人だったようですし[学会会…

「1961年8月25日」 - 大阪・第4回現代音楽祭第1日 ジョン・ケージ「ピアノとオーケストラのためのコンサート」日本初演

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[細かく少しずつ加筆・修正しています。8/3 第4回現代音楽祭プログラムのデザイン等の話を増補。]先日届いた『阪大音楽学報』第9号の上野正章「1961年の日本においてジョン・ケージの音楽と思想はどのように広がっていったのか」が興味深かったので、忘れ…

「ひっぱたく」ターゲットの優先順位

小松左京、死去。以下、放言です。小松左京といえば『日本アパッチ族』ですが、大阪のアパッチ村の表象に拘泥しているであろう日本の洋楽作曲家といえば、城東の出身で、現在は京橋のいずみホール音楽監督で、「シャーン」というメタリックな摩擦音が曲中に…

定期演奏会Abonnementkonzertの回数と意味(朝比奈隆と佐渡裕・続報)

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大阪フィル前事務局長・現顧問の小野寺昭爾さんからご連絡をいただきました。[8/16 ベルリン・フィルの公式記録をもとに、一部データを訂正。]朝比奈隆はベルリン・フィルを1956〜58年に計3回指揮していて、3回目の1958年12月は「定期演奏会(3. Abonnemen…

柴田南雄と吉田秀和:戦後高度成長期の音楽を考えるために

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[8/39 時代背景を知るヒントとして、大原総一郎と「現代音楽」の記事へのリンクを追加。大きな絵が見えて来つつある気がするので、タイトルを変更。8/25 吉田秀和関連の記事へのリンクを追加。 8/13 日本音楽学会史と大久保賢さんのブログの記事へのリンクを…

無題

朝比奈隆が死んだとき、朝日新聞の伊東信宏さんの追悼文に大変感銘を受けたので、次に会ったときに感想を述べたら、伊東さんは「やっぱり生きている間に言わないと……」とぽつりと言った。批評は、本人に面と向かって言うことなんだな、と、それ以来、よくそ…

ヴィスコンティとゼッフィレッリと「関西のおばちゃん」(イタリア・オペラが「世界商品」になっていく時代のお話)

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[7/20 最後の淀川長治まで、あちこち色々書き足して、どうにかそれなりの「お話」になったような気がします。7/27 人名に生没年追加。クライバーのところを少し書き足し。その後さらにアルゼンチンの話を加筆。8/8 映画『ムッソリーニとお茶を』の感想を追記…

「象牙の塔」と旧約伝道の書のジェンダー論?

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[サント・ブーブの用例と思しき文章がみつかったので追記。7/27 ヴィスコンティ、ゼッフィレッリの話はhttp://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20110718へ移動。9/7 英語版ウィキペディアのIvory Towerの項目、および、厨川白村の原文を追加。] ぞうげ‐の‐とう〔ザ…

暮らしの音楽観察学(仮称)のススメ?

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学校教育の現場では、こんなことが行われているぞ、と彼が面白おかしくフレームアップする事例が本当のことなのかどうか、私は知らない。(面白いおもいつきであることが最優先だから、たとえば社会学者・辻大介が便所メシについて、どうして関係者への信じ…

世界文学とワールド・ミュージック(ディヴィッド・ダムロッシュ『世界文学とは何か?』)

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[7/10 最後に短い追記あり なお、最初の書き出しだけを読んで、年寄りの若者への小言であるとか、あるいは、学会というものへの過剰な期待ゆえの厳格すぎる詮索がダラダラ書いてあるのだろうと思う人(そうであってくれないと情報処理が滞ってメンドクサイの…

ノーマークだった小倉朗(実は柴田南雄と同年生まれ)

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[7/7 菅原明朗の小倉朗への評価などを追記 7/8 オマケのヴィスコンティ談義に若干の追加。7/9 小倉朗の家庭環境の補足を自伝をもとに書き足し。7/11 柴田南雄の自伝と照合してさらに追記。7/12 『現代音楽を語る』の紹介に若干加筆。7/27 ヴィスコンティの話…

山折哲雄と演歌

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輪島裕介著の「つかみ」部分で山折哲雄の発言が大きく扱われているのは、輪島さんが、2007年から続いている(2011年も継続なのかは不明)日文研の共同研究「民謡研究の新しい方向」のメンバーになっていることと関係があるのかないのか、ちょっと気になる。…

柴田南雄・番外編(「柴田南雄音楽評論賞」と音楽学者の音楽評論)

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アリオン財団の音楽賞批評部門は、柴田南雄が亡くなった1996年から「柴田南雄音楽評論賞」という名前を冠しています。柴田南雄の執筆活動を「批評」と見ることができるのか、議論が分かれそうな気がしますけれど、ひとまずこれは、天下国家へ向けて「批評」…

「知ったかぶり」を見物する会

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[付記:念のために先回りして申し添えますが、もし以下の文章が「フィクションであり、実在の人物とは関係ない」(ここに名前が示唆された人物が実在したり、ある時点である特定の場所にいて、所定の行動や発言があった、と実証・裏書きできはしない)という…