2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

イベント駆動、「他人から言われるまでやらない」という初期型集合知の限界

それにしても……、上のエントリーで指摘したような、「推論」を何段階も積み上げなければいけない情報は、ウィキペディアのような集合知の「初期型」には不向きみたいですね。たぶん、どこかで処理しきれなくなるでしょう。情報を現場で取り扱っている方々も…

【修正確認と未解決問題】どうして「1955年版」などと書くのか、ウィキペディア

[タイトルが長すぎて見苦しいので直しました] 1955年版原典版。譜面には「大阪の祭囃子による幻想曲」と書かれているが、1956年の初演の際のチラシやプログラムは「大阪俗謡による幻想曲」となっており、「大阪の祭囃子による幻想曲」という題は初演前に撤回…

「ネーションのことは民間でやってくれ」 21世紀の東京芸大作曲科

[改稿=コピペ全盛の時代に背を向けて、大胆にデリート機能を活用]東京芸大が入試にバッハ様式のコラールと古い対位法を課すのは、「うちでは、今後はヨーロッパ流の composition を教えます」という宣言なわけだが、21世紀の日本で、ヨーロッパ流の composi…

オリヴァドーティ

舌の根も乾かぬうちに身勝手な人間と言われるかもしれませんが、オリヴァドーティ(吹奏楽の人しか知らないであろう作曲家)を各国ウィキペディアで検索してみたら、日本語版とオランダ語版にだけ立項されていた。日本はわかりますが(楽譜出てましたよね)…

不機嫌

マーラーを識る作者: 前島良雄出版社/メーカー: アルファベータ発売日: 2014/12/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 二冊目の著書でも相変わらず著者は常に不機嫌ですが……、学者が正確な情報を掘り起こしたような場合でも、それが日本の普…

資本主義から修道院へ

いと高き貧しさ――修道院規則と生の形式作者: ジョルジョ・アガンベン,上村忠男,太田綾子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2014/10/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る 「剥き出しの生」を通して「宗教としての資本主義」を見てしまった…

校門を出ず

明治の尋常小学校:学校唱歌は校門を出ず平成の大学院重点化:博士のジャーゴンは校門を出ずそしていずれの場合においても、校門でせき止められた観念たちは紙と文字の世界に溢れる。(出版物の量産とか、いまならネットか?) 日本の軍歌 国民的音楽の歴史 …

【画像公開】1956年5月からあの曲のタイトルは一貫して「大阪俗謡による幻想曲」である、当然だが

STAP事件ではネットに出ていた画像が人々の心を動かしたそうなので、公開しておく。『ミュージック・アンド・バレエ』1956年5月10日号1面(最終号、次号で『関西芸術』に改称) 記事2段目5〜6行目に「大栗裕氏作曲、大阪俗謡による幻想曲」 『関西芸術』…

【証拠申請】大栗裕「『大阪俗謡による幻想曲』について」『関西芸術』48、1956年5月20日発行

戸田直人様、三宅孝典様、大阪市音楽団様、いずみホール様、ならびに、ウィキペディア運営者様へ作曲者の大栗裕自身は、『関西芸術』という関西交響楽団の情報紙(後継が現在の「関西音楽新聞」)に、『大阪俗謡による幻想曲』についてという文章を寄稿して…

大栗裕「大阪俗謡による幻想曲」に関してウィキペディア項目にも観察される独特の言説への戸惑い

[2/10 一部改稿]

孫や曾孫の代まで著作権

著作権保護期間を70年に延長するのは、権利者(とうてい100年は生きることがないヒトという生物)ではなく、権利を半永久的に保持したい企業・団体(いわゆる法人)の論理ではないか。個人としての権利者の死後、その遺族が70年も著作権を管理し続けるのは、…

歌詞の引用

話は単純である。 (1) 引用か転載かを争う裁判の判例には引用の要件が記載されるはずで、そうした判例の要件に該当すれば、それは引用なのだから、転載に必要な手続き等は不要になる。 (2) ところが、文学については「引用か転載か」を争う裁判が既にあり、…

無題

http://www.classicajapan.com/wn/2015/02/061122.html(板尾さんは金沢のご出身だったのか……。)

力とエネルギー

ここにも、音響至上主義とは別のタイプの物理学主義があるような……。 - 力(power)という概念というか現象はごく普通に色々なところに観察されると思うのだけれど、力それ自体よりも、力の積分としてのエネルギーという概念が問題含みなんじゃないか。エネ…

「失敗したらサヨウナラ」ではない世の中にするために必要なこと

大上段に構えた制度改革を、という考え方もあるだろうが、ミスや間違いが発生したときには、深手を負う前にさらっと訂正する、それはこうじゃないの、と率直に指摘する、というのが基本であろう。(こういうときに、これは問題解決の「十分条件ではないが、…

「大阪俗謡による幻想曲」吹奏楽全曲版の楽譜

大阪市音の定期演奏会を聴かせていただきまして、演奏についての感想はそれぞれに色々あっていいのだと思うのですが、とりあえず配布されたプログラムの曲目解説について、ひとことだけ。団員さんが執筆していらっしゃる曲目解説は、「大阪俗謡による幻想曲…

○○したらサヨウナラ

地雷を踏んだらサヨウナラ (講談社文庫)作者: 一ノ瀬泰造,馬淵直城出版社/メーカー: 講談社発売日: 1985/03/08メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 48回この商品を含むブログ (60件) を見る地雷を踏んだらサヨウナラ [DVD]出版社/メーカー: アミューズ・ビデ…

代償行為

「何かしなければ」という衝動に突き動かされて、何でもいいから暴走……するかしないか、決めるのはあなた自身だ。 レ・ミゼラブル〈4〉 (岩波文庫)作者: ヴィクトルユーゴー,豊島与志雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1987/05/18メディア: 文庫購入: 2人 …

チッコリーニ

いいピアニストだったと思うけれど、いい演奏もあれば、いまいちなときもあった。それ以上の感想も、それ以下の感想もないし、ご本人もそれ以上やそれ以下を望むタイプではなかったのではないか。モダニストはそういうものだろう。たまたま晩年になって日本…

20世紀の三大作曲家

大栗裕は、1950年代半ばに作曲として世に出ようとしたときに團・黛・芥川の「三人の会」を強く意識していた気配がある。憧れなのか嫉妬なのか対抗意識なのか目標なのか、具体的に特定できるだけの材料はないけれど、ともあれ、彼らの存在を参照・前提すると…

……

随分前からパソコンには Copy や Paste のほかに、Delete や Undo など様々な編集コマンドが標準で搭載されている。使いこなそう。

コピペ狂乱の圏外にて

[改稿]

ratio まとめ

[改稿]

「彼の知っている党はただ一つ、すなわち多数党である」

ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像 (岩波文庫 赤 437-4)作者: シュテファン・ツワイク,高橋禎二,秋山英夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1979/03/16メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 41回この商品を含むブログ (28件) を見る ツヴァイクがなぜフ…

再掲

朝比奈隆のオペラの時代―武智鉄二、茂山千之丞、三谷礼二と伴に作者: 押尾愛子出版社/メーカー: 図書新聞発売日: 2015/01/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る アマゾンからも買えるようになっていますね。関西音楽新聞では小味淵さんが書…

「割り切り」の20世紀へのノスタルジー

合理性 rationality とは高度な計算能力のことである、という信仰が20世紀に北米を中心に広がったという説があるらしい。その基本要素が「割り切り」ですな。どんどん割り切っていった先にビッグデータのアナリシスの大伽藍が開ける、と。一方で、暴力の語を…

「速いイン・テンポ」と「遅いルバート」 物事をそこまで割り切るか!

音楽(演奏)をこの2つで割り切れると思うのは、「小説は活劇か、さもなければラブ・ロマンスだ」と思うのに似ている。ダンス・チューンとスロー・バラードしか知らない子どもの感性と言うべきだろう。事実、中高生向け吹奏楽は、この2つしかないし、ミュ…

長い、というより、多い、この人は全部書く気でいるようだ

レ・ミゼラブル〈1〉 (岩波文庫)作者: ヴィクトルユーゴー,豊島与志雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1987/04/16メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (37件) を見る 全盛期の小説ってこうだったっけ、と読みながら逆に新鮮な気がした。今の…