2010-01-01から1年間の記事一覧

いただきもの2冊(吉田寛『ヴァーグナーのドイツ』と長木誠司『戦後の音楽』における関西歌劇団・大栗裕で、奇しくも両方オペラ関係、私の感想は、奇しくも両方「音楽研究における作者の自白主義」への留保)

etc

[10/30 真ん中当たりの大栗裕自筆資料のいわゆる「いいかげんさ」問題について、色々加筆・修正を重ねています。最後にも若干の追記あり。]昨日と今日と一冊ずつ本が自宅へ届きました。 ヴァーグナーの「ドイツ」―超政治とナショナル・アイデンティティのゆ…

「吹奏する大阪府職員」

etc

タイトルは前のエントリー中の渡辺裕『歌う国民』をもじっていますが(笑)、本題はやくぺん先生からの情報。大阪府音楽団は本当にまとまった資料ないので、ありがたいです。そもそも「昭和27年11月設立」というデータすら、今まで私ははっきり把握できてい…

「一般には××と思われているけれども実は○○」という論法は自粛可能か?

etc

[10/26 真ん中あたりに、渡辺裕はヤコベッティの出来損ないか?という話、最後に追記として、東京は均質か?という話を付け加えています。]吉田寛さんとやり取りがあったので、ついでにその指導教官(皆様がよくお使いになる言い方では「師匠」でしょうか)…

「もう一声」と申されましても……

etc

「もう一声」というかけ声に乗せられて作文したら、「知り合い」から「とある音楽評論家」に格下げされてしまったお調子者です。こんにちは。名前は白石知雄と申します。(関わり合いになりたくないと思っているなら、無視して何も書かなきゃいいのに、この…

ひとまずNHK総合にて(よみがえる「ラジオ歌謡」とその時代〜大阪発・60年ぶりの復活演奏〜)

etc

さきほど関西では、NHK総合で「龍馬伝」再放送に続いて1:50から放映されておりましたが、いかがでしたでしょうか?今回はダイジェスト版。「金の魚の話」について取材を受けた三善晃さんの現在の肉声は省略されていましたが、トーク・ゲストの西村朗氏の大阪…

アプレゲール武満徹

武満徹 自らを語る作者: 武満徹,安芸光男出版社/メーカー: 青土社発売日: 2009/12/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 1990年9月末、武満徹の還暦の年のロングインタビュー。『マリ・クレール』同年11月号に一部は掲載されたけれど、これ…

作曲家の没後10年以内は、おそらくまだ「喪」が明けていない、ではそのあとは……?

etc

[ http://d.hatena.ne.jp/aesthetica/からいらっしゃった方はこちらへ飛んでいただいたほうが話が早いと思います。→ http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20101024/p1 ] 有名人なら誰でも毀誉褒貶あって当たり前。[...]その中で柴田南雄はそういうことを全くとい…

「阪神間」へ入れていただくことができるものやらわからぬままに

etc

美学会シンポジウム http://www.kwansei.ac.jp/human/bigaku/bigaku61/ 終わりました。わたくしは、およそこういう報告をさせていただきました。「阪神間」の作曲家、大澤壽人(1906-1953)と貴志康一(1909-1937) http://www3.osk.3web.ne.jp/~tsiraisi/mu…

シンポジウム「阪神文化 過去形と未来形」(美学会全国大会)

etc

美学会全国大会の10/10シンポジウムに参加することになりました。http://www.kwansei.ac.jp/human/bigaku/bigaku61/あちこちで関西・近代・洋楽関係の色々な計画があって、関西の研究者は、いつからこんなに自分たちのことをアピール!「情報発信」(うーむ…

9/25 パーカッション・トゥデイ 〈中村功と仲間たちvol.1〉

「リズム―見る・聴く・話す」フェニックスホールであった公演。批評が今夕の日経(大阪版)に出るようです。楽しく、かつ、ためになる。打楽器・リズムは身振りや言葉や遊び心や踊りや……と様々なものを巻き込むわけですが、実際にやってみせられる説得力は圧…

放送日のお知らせ(よみがえる「ラジオ歌謡」とその時代〜大阪発・60年ぶりの復活演奏〜)&神戸女学院の小倉末子関連情報

etc

8月に「よみがえる関西のオーケストラ作品」として公開収録されたNHKの番組(http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20100806/p1)の放送日が決まったそうです。番組の正式タイトルは「よみがえる「ラジオ歌謡」とその時代〜大阪発・60年ぶりの復活演奏〜」となっ…

「大阪府さん今までどうもありがとう」(朝日放送「交響楽団は必需品かゼイタクか?札幌と大阪の文化行政の思想」)

etc

関西の某ホール関係者の方から、以下のような情報をいただきました。 「ご無沙汰でございます。今夜の関西ローカル(朝日放送)のニュース番組内でこんなタイトルの特集が・・・。[……]」 関西圏の方限定情報:やくぺん先生うわの空:So-net blog ABC朝日放送…

9/28 大阪交響楽団第148回定期演奏会の教訓

皆さん東西を往き来したツィメルマンとヴィンシャーマン(朝日新聞はいまだにビンシャーマンと表記している……)のお話ばかりで、そこに埋もれて話の順序が前後してしまいましたが、9/28の児玉宏指揮・大阪交響楽団定期。2管編成の団体が創立30周年でリヒァ…

虎の威は借りない

etc

あの人はこんな素晴らしいことを述べている、この人はかように感動的なことを言っている、と並べて、それらを引用する自分を鼓舞するのは、おそらく心の状態があまり安定しておられないのであろうと勝手に推察することにして(話かみあってないし……)、(補…

渡辺佐『オーストリア辺境の旅』(含む:「聖フロリアンの鐘」新訂)

ひきつづき本のご紹介。大阪フィル1975年のヨーロッパ演奏旅行は、聖ブロリアン教会でブルックナーの7番を演奏したエピソードで知られていますが、渡航資金のためにと、一般有志を発起人とする募金運動が盛り上がったりもしました。音楽評論家、渡辺佐さん…

C. ヴォルフ『ヨハン・セバスティアン・バッハ 学識ある音楽家』と高橋悠治「高原の空気のように」(『柴田南雄とその時代 第1期』所収)

今日読んだ本と文章のこと。 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ―学識ある音楽家作者: クリストフヴォルフ,秋元里予出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2004/12/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見る このヴォルフの本は、先日、大フィル定期の「…

大栗裕「ごんぎつね」プロダクション・ノートのようなもの

etc

お引き受けしている宿題が相変わらず色々ありますが、勤労感謝の日に茨木市のクリエイトセンターでやった大栗裕「ごんぎつね」のことは、いちおう、まとめをしておいたほうがいいかと思っております。お陰様で満席。楽しんでいただけたようでした。大栗裕の…

21世紀は誰の世紀? センチュリー交響楽団改称報道

etc

朝日新聞に来年4月、大阪センチュリー交響楽団改称、の記事が出たようですね。http://www.asahi.com/culture/update/0917/OSK201009170087.html?ref=rss大阪府の支援が切れるので、名前から「大阪」を外して、「日本センチュリー交響楽団」として、府外でも…

解像度競争

etc

胡弓や三味線や馬頭琴や琵琶、ギターやリュートとサイズを比べれば明らかですが、ヴァイオリンは指の押さえで弦のピッチを調整する楽器としては、人類史上限界に近いくらい小さい/小さすぎる楽器だと思います。ウクレレのようなフレットもないですし。あの…

いろいろまぜっかえすようですが

etc

いやいや大久保さん、分析は科学というより料理、というならば、サプライズ重要、うやうやしく運ばれてきた料理のフタを開けた瞬間に、色と香りがパッと広がり、「まあ素敵」と奥様方の驚きの声。そういう演出・プレゼンテーションのレトリックが、分析では…

森沢義信『西国三十三所道中の今と昔』

etc

7、8月は大阪という街のことをあれこれ考える巡り合わせになりましたが、9月に入って、今度は何かと仏教づいております。たとえば、本屋で文庫版を見つけて、梅原猛、上山春平編「仏教の思想」12巻全部一気に読んでしまいまして、 知恵と慈悲「ブッダ」―…

完成度

etc

音楽への応用案?:池内友次郎の「熊野」は、能に精通し、フランス仕込みの作曲のエクリチュールを身につけた人ならではの作品。見事な完成度である。参照: 生徒:先生、小説とかを論じていて、「完成度」って言葉が出てきますね、あれは、どういう意味なん…

朝日新聞と関西の音楽文化:朝日会館(十河厳)、フェスティバルホール(村山美知子)、ザ・シンフォニーホール(原清)

etc

前のエントリーはさらっとまとめましたが、十河厳の本(詳細はhttp://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20100909/p1)には、実際にはあれこれ舞台裏を想像させる記述・情報が出てきます。そこに踏み込むと、絵と文をきれいに配置した、いかにも神戸山の手の趣味人の…

音楽の阪神間モダニズムの話題を二つ:その2 十河厳『あの花この花 朝日会館に迎えた世界の芸術家百人』

etc

十河厳という人の本、『あの花この花 朝日会館に迎えた世界の芸術家百人』(1977年)について。十河厳という名前を私が知ったのは、團伊玖磨と十河厳が昭和27年(「夕鶴」初演の年)の伊庭歌劇賞に決まったことを報じる『音楽之友』の小さな記事でした。しば…

音楽の阪神間モダニズムの話題を二つ:その1 津金澤聰廣、近藤久美編『近代日本の音楽文化とタカラヅカ』

etc

大阪市の図書館で「夫婦善哉」とミナミの音楽文化の話をしてしまったら、憑き物が落ちたように、自分の言いたいことと、大阪キタを拠点とする阪神間ブルジョワ音楽文化との距離感がはっきりしてきまして、逆に、阪神間が気になってきました。(他人様にはど…

無節操な挑発

etc

本当は、前の記事の告知を一番目立つ場所に残しておきたかったのですが、告知:大栗裕の童謡オペレッタ「ごんぎつね」やります(9/23、茨木市クリエイトセンター)http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20100901/p1ふと思いついてしまったので。テレビを眺めてい…

大栗裕の童謡オペレッタ「ごんぎつね」やります(9/23、茨木市クリエイトセンター)

8月は大栗裕の歌劇「夫婦善哉」に明け暮れましたが、ひきつづきまして、9月は音楽物語。大栗裕作曲の「ごんぎつね」をやります。http://www.bf-concert.com/index.html私の地元茨木市で十年来続いているバリアフリーコンサートで取り上げていただけること…

平成22年度大阪文化祭

etc

30日は、今年の大阪文化祭(大阪府・大阪市・大阪21世紀協会の共催)の表彰式でした。副賞の賞金が復活して、表彰式の場所もクラブ関西というところに変わって、大阪21世紀協会をバックアップするような財界の動きがあるということなのでしょうか……。平成2…

歌劇「夫婦善哉」ノート

etc

[8/30 最後に「夫婦善哉」のポマードの話を追記しています。]昨日の講演では、終わったあとに図書館の方、聴きに来てくださったオダサク倶楽部(大阪にはそういう名前で織田作之助に関する啓蒙活動をやっていらっしゃる方々がいるのです)の皆さんと歓談させ…

ご来場の皆様ありがとうございました。

etc

大阪市立中央図書館での講演会、なんとか終了しました。各方面から「行きます」と事前に言って下さる方もあって、ひとまず主催の図書館にご迷惑をおかけすることのない体裁になったようで、ほっとしております。大栗裕が昭和大阪の最重要の文化的アイコンと…